~ 青森県?未來創電上北六ケ所太陽光発電所竣工 ~
出典:むつ小川原株式會社
2017年5月11日、青森県六ケ所村に雙日としては最大、そして國內では4番目の発電容量を誇る71MWの太陽光発電所が竣工しました。この容量は年間13,300世帯を賄うことが可能な発電容量に相當します。
工事期間3年間、工事関係者6.6萬人、パネル27萬枚とこの巨大なプロジェクトが無事商業運転を迎えるまでの道のりは、苦労の連続であり、そこには大きな戦略を描き、時代の流れを読もうとする雙日パーソンの姿がありました。
雙日が初めて太陽光発電に參入したのは2009年。中國をはじめとした新興國の経済発展に伴い、CO2排出削減など環境問題に対する國際的な意識が高まり、日本においては2009年に、鳩山首相が國連総會にて2030年までに溫室効果ガス25%削減を宣言した年でもありました。ただし、雙日が取り組んだのは日本ではなく、再生可能エネルギー先進國といわれ、FIT(Feed- in Tariff/固定価格買取制度)が整備されているドイツでした。
2009年にドイツ大手太陽光発電事業會社ヴィルソン社と共にベッツヴァイラー太陽光発電所(3MW)を、2011年にはミックスドルフ太陽光発電所(24MW)を開設し、太陽光発電に関する知見とノウハウを蓄積していました。そして2011年3月11日、あの東日本大震災が発生、國內にある全ての原子力発電所が停止する事態が起きました。日本はエネルギー政策の見直しに迫られ、安全でクリーンなエネルギー源の拡充の必要性から、2012年8月再生可能エネルギー法が施行され、FITをベースとした太陽光発電の促進が図られました。雙日はこの機を逃さず、2013年8月に日本におけるメガソーラー事業への參入を発表しました。
それ以降、2014年10月に北海道小清水町(9.1MW)、2014年12月に熊本県球磨(12.8MW)、2015年10月に愛知県知多(12.9MW)、2016年9月には福岡県飯塚市(16.7MW)にて各発電所の商業運転が開始し、そして今回、青森県六ケ所村で太陽光発電所(71.0MW)が竣工しました。今後も國內で數か所の発電所の稼働が予定されています。
本事業は、売電価格が20年間固定され、當然ながら燃料コストはゼロ、メンテナンスに要する人員はわずか2人であり、しかも常勤ではありません。すなわち當事業モデルの変動要因は日照量だけとなり、これは気象庁のデータにより確度は高い。つまり非常に安定したビジネスモデルと言えます?,F?中期経営計畫では、市況や外部環境に左右されない安定収益基盤の確保が柱になっており、まさにこの太陽光ビジネスはその代表格です。
上北六ケ所太陽光発電所は、広さ150ha、東京ドーム約32個分に相當します。かつては木が生い茂る広大な空き地でしたが、現在は約27萬枚のパネルが一面に広がります。3年3か月に及ぶ工事期間中には、さまざまな試行錯誤がされました。特に豪雪地帯に適した工夫として、積雪量を測定してパネルを取り付ける架臺の高さを調節、雪が積もっても滑り落ちるようパネルの傾斜角度も30度と他の発電所よりも大きく設定しています。
環境?産業インフラ本部 環境インフラ事業部
湯淺裕司部長
「2009年に雙日が初めて太陽光発電事業に參入して以來、ようやくここまできました。間違いなくドイツでの経験が活きました。あの経験がなかったらここまで來られなかっただろうし、當社単獨ではできなかったと思います。また、コーポレート部門の方々にも太陽光に対する経験や知識が備わっていたので、時期を逃さずにスピード感をもってここまでビジネスが拡大できたのだと思います?!?/p>
環境インフラ事業部 再生可能エネルギー第二課
三木康一課長
「當時苦労したのが、土地賃貸借契約やEPC契約にプロジェクトファイナンスの概念を反映させることです。また、契約以外でも、近隣の風力発電業者より電線に集まる鳥が風車に衝突するとの懸念を受けて、送電線を地中に埋めるよう変更したり、送電のための系統容量を巡って電力會社と調整したりと、事業実現には大きなハードルが幾つもありました。このような中、社內を含む関係者のアイデア、協力を得てクリアしてきました?!?/p>
環境インフラ事業部 再生可能エネルギー第二課
福屋実夏
「私が入社したのは2012年、まさに國內太陽光ビジネス出発點のタイミングでした。人員も3倍に増え、事業も組織も大きくなり、こうして実際に巨大な発電所が稼働されると思うと感動です」
富士電機
鎌田さん、佐藤さん
「當時、太陽光発電事業は當社にとっても新事業であり、発電容量71MWの大プロジェクトをEPCで請負う事は誰も経験したことのない壯大なものでした。150haの原野を雙日様と踏破して現地調査をした事や、技術部門をはじめ社內外の関係部門の英知と、これまでの経験全てを注ぎ込みチーム全員で作り上げた感慨深いプロジェクトです。積雪の影響を最小限に抑え、且つ発電量を最大化するため、架臺の高さやパネル傾斜角を何度も議論し設計をした事、サンプルを作り一冬実験をした事がつい先日の出來事に思えます。今後も當社がこれまで培ってきた発電プラント技術?電力変換技術を駆使し、雙日様と共に再生可能エネルギーの普及?発展に貢獻していきます?!?/p>
雙日の太陽光発電所には全て「未來創電」という名稱をつけています。これには、発電事業を通じて豊かな未來を創造するという思いが込められています。未來創電のロゴマークは、太陽光、地熱、風力、バイオマスを表す色を円形に配置、環境と経済が両立するバランスのとれた再生可能エネルギー事業を展開していくことを表現しています。
今後の展開について、湯淺部長は次のように語りました?!附襻幛?、この國內のノウハウを生かし、すでにペルー?ドイツなどでも取り組んでいるが、海外展開を考えている。また、太陽光に限らず、風力やバイオマスなど、その他の発電事業にも挑戦していきたい?!?/p>
雙日は2017年6月にチリにおいて太陽光発電事業(98MW)の參畫を発表。國內におけるメガソーラー事業は一つの通過點に過ぎず、これまでの積み重ねた経験とノウハウを活かし、さらに海外展開を加速しています。
(所屬組織、役職名等は本記事掲載當時のものです)
2017年7月掲載